(会見の前に)協会の対応について一言申し上げたい。監督会見と選手のミックスゾーン(取材エリア)の時間が重なっているが、これは選手にも協会にもよくないのではないか。記者の皆さんも、監督担当、選手担当と分かれてしまうのはよくないのではないか。こちらはよいのだが、記者の皆さんは困るだろう。こちらは記者が一人しかいなくてもしゃべる。そうでなければ、もう少し(会見場の)いすの数を減らしたほうが雰囲気はよくなるのではないか(笑)?
――エジプトは主力が欠けているようだが、どう考えるか
「代表チームは常に同じメンバーであるべき」などというルールがあるわけではない。エジプトがメンバーを代えてきたからというわけではないが、こちらもメンバーを代えることはオプションとして可能だ。前回の試合から11人をエジプトは代えたが、日本もそうすることは可能だ。つまり8月のカメルーン戦やオーストリア遠征のメンバーと、明日の先発メンバーを入れ替えることはできる。しかし、エジプトはエジプトであり、こちらは日本代表である。エジプトにしろ日本にしろ、(スタメンが)同じメンバーでなくても11人以上のメンバーで代表を形作っている。しかも普段は控えに甘んじている選手が先発に選ばれた場合、レギュラーの選手よりもモチベーションが高いことが多い。それが普通だ。エジプトはそうなるかもしれないし、われわれにもその可能性はある。明日の試合では、これまでの代表の試合で出場機会のなかった選手にチャンスを与えるかもしれない。
――これまでのチーム作りを踏まえた上で、今回のように準備期間が短い中でこういう試合をすることについて、どのように生かそうと考えているか
今回の試合の前に、本当はもう少し日数をかけたかった。そういう計画はあった。ナビスコカップ(の準決勝に出場したチーム)を除いて、ほかのチームは余裕があったので(合宿に)活用できないかと考えた。「ぜひそうしてください」と協力してくれそうなクラブの方が多かった。しかし浦和にとっては、それは簡単ではなかった。浦和の状況を考えたら、彼らは2つ以上の大会(リーグ戦、カップ戦、ACL=アジアチャンピオンズリーグ)で戦いを続けている。ACLでは準決勝まで来ていて、チャンピオンになれるチャンスが浦和にはある。
一般論だが、代表監督は各クラブと戦争するよりも和平を保つ方が得策である。合意の上で計画を進めるということ。なぜなら、代表チームは各クラブの選手に依存しているからだ。しかし同時に、クラブや選手にとっては、代表に選ばれることが、世界で注目されるかどうかの基準になる。だから両者がよい協力関係を築くことで損をすることはない。あるタイミングでは代表が、あるタイミングではチームなりクラブなりが犠牲となるし、負担が大きくなる。そのタイミングでのプライオリティー(優先順位)がどちらにあるか、適切に判断する。今回はそういう事情だったが、だからといって浦和よりも代表の価値が劣っているわけではない。いずれにせよ浦和が(ACL王者になる)チャンスをものにすれば、日本サッカー全体にとってチャンスとなる。つまりA代表だけが日本代表なのではなく、U−22代表にしても、浦和にしても、日本のサッカーを表しているわけだ。
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