――明日の試合はあなたのキャリアにとってどのようなものか?
オシム監督 最も困難な試合だと思っている。アジアカップ全体の状況を客観的に見て、日本が対戦する可能性のある相手の中でも、最も困難な相手だ。日本はこれほどのチームと対戦する機会を得ていない。せいぜい親善試合くらいだ。私が監督に就任して以降、どの相手も過小評価しないようにしてきたが、これまで対戦した中ではガーナが、オーストラリアと比較し得る相手だ。しかし、これも親善試合だ。オーストラリアは(大会)序盤はミスがあったり、気候に適応できなかったりして苦しんだが、その後調子が上がってきたので、より手ごわい。どんなチームでも、よくない状況があるものだが、すでにその状態が過ぎているわけだ。どんなに強い国でも、すべての試合を100パーセントでできるわけではない。調子の悪いときでも、勝つことができるのが強いチームだ。そういう例では、最近のコパ・アメリカ(南米選手権)でのブラジルの例がある(※ブラジルはコパ・アメリカのグループリーグ初戦で敗れたが、最終的には優勝した)。だから、オーストラリアがそうならないという保証はない。
つまり、チーム状態の悪いところから乗り越えたという意味で、今後よくなる状況に進んでいる。その点、われわれは、まだ調子の悪い状況を経験していない。
――鈴木選手、足の具合は?
鈴木 今日のトレーニングをやってみないと分からないが、たとえ調子が悪くても監督が判断すると思う。僕はいい状況にするだけだし、試合に出るつもりで準備を進めている。
――オーストラリアは手ごわい相手ということだが、対戦するにあたっての一番のポイントは?
オシム監督 ポイントとはどういう意味か? われわれにはわれわれのポイントがあるが、オーストラリアのポイントは分からないので、試合がどうなるのか今は言えない。
――去年のワールドカップ(W杯)で敗れているが
オシム監督 去年と今年とを比較する意味はない。去年は去年。1年経って、多くのことが変わった。よくなったか悪くなったかは、また別の話だ。去年の試合は、私は観客席で生で見ていた。今はビデオで見返している。その試合に出ていた選手は(今の代表チームに)たくさん残っているが、私の印象としては、よいチームが勝った、ということだ。もちろん、日本人には気に入らない言い方だろうが、事実としてそうだった。確かに日本には、アンラッキーな部分もあった。しかし日本のサッカーファンにとって、オーストラリアがよいチームであることを知る機会となった。だから1年前と、明日の試合を控えた現在とでは、日本のファンやメディアは違う考えを持っているだろう。
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