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キリンカップモンテネグロ戦後 オシム監督会見 その2

――今日のスタメンは望みどおりのものだったのか(モンテネグロ人記者)

 何人かの重要な選手を使うことができなかった。1人は左利きの選手、もう1人はモンテネグロの3番(ヨバノビッチ)を抑えられるポジションの選手。それからサイドの選手も、けがのために使うことができなかった。タッチラインを1人でカバーできて、何度も往復できる選手。そういうエネルギーとスピードのある選手が、本来はいるのだが使えなかった。2人の選手を並べなければならなかった。そこでのコンビネーションが、攻撃で良くても守備では駄目、あるいは逆に守備は良くても攻撃は駄目。また、将来的には2ボランチのところを1人で任せたいのだが、そういう選手がいない。つまり守備もできるが、そこから攻撃の起点となるような、クリエーティブなプレーができるような選手を探しているところだ。

――個人プレーについて、今年になって増えたように思うが、それはなぜか?

 それは今年になって始まったことではない。そういうことが今後起こらないように、選手には言わないといけない。つまり症状が起こってから治すよりも、予防した方がよい。まだ治療できる範囲だと思うから、口に出して言っている。例えば中村憲剛、彼のようなレベルのクオリティーの選手であれば、ゴールのはるか上にシュートするはずがない。しかもシュートするタイミングの時に、彼の近くにフリーの選手がいたのに、シュートして外した。状況によって違うプレーができるかどうか。例えばモンテネグロの方が1−0でリードしている状況で、同じプレーをするのか。得点を挙げれば、明日の新聞の一面を飾る、あるいはニュースで大きく取り上げる、そういうことが頭にあったのかもしれない。「彼のプレーが試合を決めた」、そういう見出しだ。そういうことで、サッカー選手をやっているのかもしれない。選手の側にそういう野心があれば、皆さんがそれをかき立てるわけだ。だから、それをうまくチームのためにプレーさせるというのは、簡単なことではない。
 勝った試合ではあるが、良かったことより悪かったことについて、より費やすことが明日のためになると思う。例えばパスミス、スキルの低さ、パスのタイミングが悪いこと、手間を掛けすぎること、ボールが私物であるかのように長い間キープしようとすること、などなど……。それらを直さないと、もっと良いチームにはならない。「今日は勝った、おめでとう」というのはお世辞にしか聞こえない。別に対戦相手が、私が昔住んでいた国の一部だったから言うのではない。つまりバルカンの習慣だが、相手を褒めて、実は自分を褒めるという表現なのだ。だから、私とこれ以上話しても時間の無駄だ。

――ワンタッチプレーでリズムを作るのが日本の良さだと思うが、それができなかったのはどこに原因があると考えるか?

 それで何が聞きたいのか? 相手がいるのだ。自分たちだけでプレーしているのではない。相手がいる中で、それをやらなければならない。日本は原則として、なるべく早いプレーを心掛けている。これは日本だけではなく、良いサッカーをするチームはプレーが早い。早いサッカーは、私の発明品ではない。単純な、早いプレーを要求しているのは私だけではない。ご覧のとおりのプレーしかできなかった。

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