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キリンチャレンジカップ・ペルー戦後記者会見 その3

――試合の中ではタメを作ったり、テンポを遅らせることも必要だと思うが、そうしたバランスについてはどう考えているのか

 ここはサッカー学校ではない。あなたに個人的に教えてもいいのだが、サッカーで何が難しいかというと、いつキープし、いつパスを出し、どういう強さでどういう方向に、という判断だ。私はいつでもワンタッチを、と言っているのではない。だが、自分こそがチームの攻撃の起点であると思い込んだ選手、ボールをトラップして周りを見渡し、どこにボールを出そうかと、そういうプレーをする選手が1人いれば、相手チームにとっては、その選手1人をマークすればよいことになる。逆に、そういう余裕を与えないこと、それがワンタッチプレーの良さだ。高い技術を持ち、ワンタッチでくるのかウエイトするのか、予想のつかないプレーができるのが良い選手だ。それはサッカーの技術ではない、インテリジェンスだ。一般的なインテリとは、ちょっと性質の違うものだ。サッカーのインテリジェンス、一般社会のインテリジェンス、両方ある方が本当は良いのだが。
 中村俊輔も、時間の経過とともに分かってきたのだと思う。1つ1つのプレーのタッチ数が少なくなってきた。つまり自分で難しいことをするよりも、簡単なプレーをした方が効果的であると、彼自身が気が付いたのだろう。まあ、違う意見もあるだろうが。

――自分たちの力を示したい選手がいたとおっしゃっていたが、そういうことを気をつけるように試合前に伝えなかったのか

 試合前に何かを一言二言伝えたら、選手は変わるというのだろうか。久しぶりに日本に帰ってきた選手に、何か言えば気が楽になるとお考えだろうか。一般的には(海外組は)凱旋帰国して、非常にいいプレーをして、というようなことを考えるのではないか。それが普通の人間だろう。久しぶりに出場して2ゴール、3ゴール決める、あるいはフリーキックを決める。だがサッカーは、相手のあるスポーツだ。1人、2人でできる競技ではない。だから皆さんは、中村俊輔にプレッシャーを掛け過ぎたのだ。彼以外にも選手はいるのだから。

――中村俊輔のことを言ったのではない。焦りからミスをしないように精神的なケアを試合前にしないで、試合後に「負けていたかもしれない」と言うのはどうかと思ったのだが

 試合前のミーティングで何を話したかといえば、何も話さなかった。私が言ったのは、「自分がペルーのユニホームを着たつもりで考えろ。君たちがペルー代表だったら、今日の試合はどんな気持ちで臨んだのか。ハンディキャップがある。つまり4〜5人のベストプレーヤーがいない。何を考えているのか、何をしたいのか、想像してプレーしなさい。日本に対して、どんな気持ちで向かってくるのか考えろ」。(ミーティングで話したのは)それだけだ。実際にペルー人になることはできないが、想像はできるだろう。その結果、選手が何を考えるか、あるいは私がそう話すことで選手に何を期待しているか。うまくいったかどうかは皆さんのご判断に任せる。逆に考えるなら、日本が欧州に行って、そこで試合をする。そうなったときに、試合前から「降伏します」と考えるような、そういう試合をするだろうか。少しは意地というものがあるだろう。だから、「今の君たちの考えを一時ストップして、相手の考え方を想像しろ」と。そういう話をもっと短い時間でした。だから私の目から見れば、ある選手は想像できて、別の選手は失敗していた。

キリンチャレンジカップ・ペルー戦後記者会見W

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