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アジアカップサウジアラビア戦後記者会見その2

――後半、フィジカルの問題があったと言ったが、サウジが選手交代したことで左サイドにスペースを作られて混乱していたようだが、それに対して選手はうまく対応していたか?

 それは大きい問題ではない。走れるかどうか、走れない選手がいるところでどうするか、ということ。よく誤解される方がいるようだが――。対戦チームが、あるサイドからプレスをかけてくる。実際には、われわれがピンチになるのは反対側のサイドなのだ。ことわざというほどではないが、危険に見えるところほど、そんなに危険ではない。
 例えば日本の左サイド、アレックス(三都主)や憲剛が疲れ始める。そこで一番問題なのは、逆サイドの加地が攻められたら大変だということ。あるいは逆に加地が先に疲れたら、反対のことが言える。連鎖反応が一番怖い。まず、ある選手がミスして、それをカバーするためにほかの選手が余計に走る。そこでまたミスをしたら、第3の選手がもっと余計に走る。そこで疲労して、その選手が間違えてしまえば、第4の選手が追いつく前に失点してしまう。だから、明らかに「これはミスだ」というのは気がつくから簡単なのだが、そういうふうに見えない。相手選手との距離が不正確で、はっきり目に見えないミスというものが、最も(相手に)押し込まれる原因になる。サウジはスキルの高い選手がそろっていたから、それを利用して攻めてきた。相手の交代選手を見ても、サウジがそれを理解して、日本の弱点を突いてきているのが分かった。それは選手が疲れたから代えたのではなくて、日本を研究した結果、あの交代になったと思う。日本のパフォーマンスが落ちたから、そこを突かれそうになった。
 そういう見えない、分かりにくいことについて、もっと分析的な記事を皆さんが書いてくだされば、もっとサッカーの理解は深まると思う。
――サウジの攻撃では、24番(スリマニ)がパス回しの中心になっていたが、彼をもっとマークすべきだったのではないか?

 そういうふうにしようとしたが、向こうの方が上回っていた。つまり、相手チームのベストプレーヤーをマークする。それによって試合を作る、あるいは壊すというのは、はっきり説明はしやすい。例えばバルセロナと戦うとき、極端な例だが、有名なロナウジーニョとかメッシとか、そういう選手にマーカーをつけたとする。その場合、マークするこちら側が怖がっているわけだ、必要以上に。マークする役割の選手は、向こうのよさを消すというところでしかプレーしていない。例えば、こういうふうに考えられないだろうか。それまでロナウジーニョをマークしていた選手が、マークをほっぽり出してゴールに向かう。そしてパスをもらおうとする。その時、ロナウジーニョはどうするだろうか。誰が追うのか。ロナウジーニョが追うだろうか? ロナウジーニョは一番近くにいたから、走らなければならない。もしロナウジーニョが戻って守備をするところまで追い込んだら、彼はロナウジーニョではなくなる。だから、最もよい選手を何とかしようとするには、そういやり方での対策というものが考えられる。今日も24番については、そうしようと思った。 彼をマークする係りの選手たちは、24番が攻撃で果たした役割よりも、もっと素晴らしい役割を果たした。つまり、日本の攻撃に役立ったということだ。
アジアカップサウジアラビア戦後記者会見V

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