アジアカップ ベトナム戦前日オシム監督＆遠藤保仁会見 その３

――ベトナムのパフォーマンスについては？

オシム監督　何度も話していることだが、どちらが勝つだろうという前提で話すのはフェアではない。サッカーは何が起こっても不思議ではないスポーツ。私は、日本が負けたらどうするかと聞く記者がいないのが、とても不満だ。数学的にはあらゆることが起こる。今日から明日の試合終了まで、何が起こるか分からない。あらゆる状況に対応して、オプションを持つ。試合以外のさまざまなことに気を使わなければならない。いくらいい試合をしても、１次敗退もあり得る。もっと違った角度から考えてもよいのでは、と申し上げたい。試合前に情報を持つことは、（試合が）終わって「どうしてだ？」と思うよりいいと思う。気を悪くした方がいらしたら申し訳ないが、それがサッカーの現実だ。

――今大会のレフェリングへの対策については、選手に何か伝えたか？

オシム監督　レフェリーはアンタッチャブルなので、選手には何も伝えない。それよりも、いい試合をすることが大事。選手たちはクレバーなので、判定も観客の応援も、そのほかさまざまなサッカーの構成要素であることを知っている。だからあえて、起こらないネガティブなことへの対策は取らない。

――ベトナムが勝つ可能性よりも、日本が勝つ可能性のほうが高いと思うが、同意するか？

オシム監督　確率の問題だ。私はその予測はしないし、あなたがそう考える理由が分からない、われわれが何をすべきかは分かっている。それはわれわれの問題だ。しかし、これから余計なことを口走って、対戦相手をさらに勇気づけることはしない。日本が有力だと、私は思わないし、（そう語ることは）不必要なことだと思う。計算上は、勝てなくても通過できるチャンスはまだある。つまりカタールが勝たないということだ。数学的にはシンプルなことだ。

――もし１次リーグで敗退したらどうするのか？

オシム監督　それはまた別の話だ。日本サッカー協会に聞いてほしい。

――やりたいサッカーができればいいが、気候条件などでできない可能性もある。その点について、選手のプレーに満足しているか？

オシム監督　満足してはいけないということは、以前にもお話したと思う。