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キリンカップモンテネグロ戦前日 オシム監督会見 その2

――モンテネグロの評価は?(モンテネグロ人記者)

 対戦が決まる前は冗談の種にすることができたが、今はそうではない。自分たちのチームを紹介して、それから私に感想を求めるのならお話ししよう。私はあなたたちのチームについて1試合(ハンガリー戦)だけビデオで見ただけだから、皆さんの方が詳しいのでは? その試合はあまり参考にはならなかった。それ以上の情報をいただけるのなら、選手やチームの紹介をしてほしい。特にあの試合で、出場していなかった若い選手について。
 もちろんサッカーの話で結構だ。政治の話はここでは結構。過去にはいろいろあった。モンテネグロは独立したばかりで、世界に(その存在を)知らしめるためにはサッカーの代表が最高の宣伝手段であることはよく知っている。ただし、現在の段階でモンテネグロがどうなっているか。多くの選手が欧州の一流クラブでプレーしていることは知っている。しかし国外でプレーしていない若い選手が、どういうタレントなのか、どんなプレーをするかまでは知らない。今回の試合がモンテネグロについて知る、良いチャンスだと思っている。もちろん旧ユーゴのクラブが、チャンピオンズリーグやUEFAカップの予選を勝ち抜いていれば、もっと彼らを知るチャンスがあるだろうが。

――1試合しかやっていなくて、7回しか練習していないモンテネグロが日本と互角に戦えると思うか?(モンテネグロ人記者)

 旧ユーゴ風の質問はしないでいただきたい(笑)。何が聞きたいかは私には分かる。7回しか練習していない、それだけわれわれが強いと言ったらどうかね。モンテネグロについてではないが、世界の代表チーム、特に伝統のある欧州のチームは(勝つことが)簡単でないことを知っている。

――質問は二つある。一つはまじめな質問(モンテネグロ人記者)

 では、これまではまじめでなかったのかな?

――あなたは今は亡き国の代表監督だったわけだが、そのことをどのように感じているか?(モンテネグロ人記者)

 私は生き残った。それだけだ。どう生き残ったかは別の話だが。

――われわれの国でもテレビで生中継があるのだが、日本選手の名前の発音の練習をしたいので、スタメンを教えてほしい(モンテネグロ人記者)

 では、まずはモンテネグロの名前を教えてほしい(笑)。全部のリストがあるので、それで練習したらどうだ。誰をスタメンに選ぶかは決めていない。選手のコンディションを今は考えている。1週間前に試合(リーグ戦)があった。昨日到着したばかりの稲本は、ドイツ・ブンデスリーガのチームに移籍したので「おめでとう」と言いたいが、それとコンディションとは別の話だ。対戦相手の情報もない。何度もビデオで試合も見たが、相手の出方にどう対応するかも考えなければならない。
 率直に言って、これは日本だけの問題ではないが、監督が悩むのは得点力をどうするか。それも悩みどころだ。世界中の監督が決定力で頭を悩ませている。ビッグクラブでも、FWは外国人選手だ。ロナウド、ドログバ、シェフチェンコ。強いチームはどこもそうだ。レアルもバルセロナも。誰と誰をどう組み合わせるか考えている。
 モンテネグロのリストを見てすぐに気がつくのが、どの選手も背が高いということだ。190(センチ)以上が何人もいる。すると、高さへの対応ということで、こちらの条件は絞られてくる。これ以上、ディテールに入ることはしないが。いずれにせよ、日本人の名前の発音はすぐに覚えられるだろう。

――事前に情報がないチームと対戦することは、選手にとってどう影響するか?

 これこれのやり方で来ると、はっきりとは言えない。試合中に対応しなければならない。つまり、選手たちが自分の頭で対応できるかどうかが大切だ。試合が始まってからでないと分からないことは、選手だけで解決しなければならない。監督も選手も対戦相手に関する情報がない場合、自分たちがどういうやり方でプレーするか、試合前の合意、そして試合中の変化、それをいかに使い分けることができるかが重要だ。実際には、試合が始まったら、ベンチよりも選手の方が相手に近いのだから、選手が判断する方が容易だと言える。しかしそうした能力というものは、短い期間で身に付くものでもない。それは私の考えだが、どんな条件でも有効なサッカーの特効薬を誰か発明してほしいものだ。そういう方法があれば素晴らしいのだが……。

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