追記オシム監督語録TOP

サラエボ
オシムと神の子
オシムと神の子 TOPへ オシム監督経歴へ オシム監督語録公式 追記オシム監督語録へ プロフィールとリンクへ ブログへ
イビチャ・オシム監督画像
アジアカップ サウジアラビア代表戦後 記者会見 その3

――今日の敗戦を受けて、次のイエメン戦でメンバーを変えることは? またターンオーバーのようなことは考えているか?

24人の選手を連れてきたのは、そういう意図があったからだ。疲労や不慮の負傷もあり得るし、巻も問題を抱えているそうだから(笑)。ひょっとしたらほかの選手も「実は問題を抱えている」と申し出るかもしれない。

――中盤の連動の問題を指摘されていたが、押し上げが全体に不足していたのは、アウエーの要素もあったのか?

一口では言えない、さまざまな要素があったと思う。中盤とは、非常に複雑なフィールドだから。ひとつには対戦相手がどういうチームか、そして自分たちがどういうプレーをしたか。それから自分たちのプレーの中で、どれだけリスクを冒したか。いろいろな角度で考える必要がある。
例えばサイドについて見ても、片方は機能したけれど、もう片方は機能しなかった。右か左か、具体的には言わないが、機能しなかったサイドの選手は、経験のある選手だったので、非常に残念な誤算だった。

理想のチームが出来上がったわけではないので、不完全なままで、しかもリスクを冒していくことが、時には必要となる。あらゆるものを望んでも、それがすべて手に入るわけではない。
はっきりしているのは、優れたストッパータイプの選手が不足しているということだ。背の高い、しっかりしたボールさばきができるストッパー。すぐにプレーできなくても、控えでいつでも準備ができている、そういうストッパーはいるだろうか。皆さんの方がたくさん試合を見ているだろうから、聞いてみたいものだ。
ストッパーというのは、時にリスクを冒すものだ。MFの鈴木や阿部を含めて、坪井、闘莉王、そういった選手が時にはミスを犯すわけだが、逆に攻撃にも参加してチャンスを作る。
その際に大事なのは、誰がいないのかな? と味方のことを考えるのではなく、対戦相手のことを考える。今日のサウジには優れた選手がたくさんいた。その点では、向こうの方が優れていたのかもしれない。だから、選手たちに「負けたのは君たちのせいだ、走らなかったからだ」と言うつもりはない。それは不公平、フェアではない。サッカーというものは、学ぶことが多い。
選手を代えて点が入るなら、私は代える。メンバー交代をしたら、次の試合に勝てるというのなら、そうするだろう。だが、誰をどう代えるべきか、それは分析しないと分からない。選手交代の時に(交代の選手が)タッチラインに立っている。誰が交代するのかなと見ていて、そこで集中力が切れる選手もいる。後から投入した選手が、疲れてベンチに引っ込んだ選手よりもひどいプレーをすることもある。
もうひとつ大事なことに、第4の審判が選手交代の時間をかけすぎたという問題もある。残念ながら今日の試合では、選手交代を待っている間に失点してしまった。Jリーグでも5試合ほど、そういうシーンを見た記憶がある。特にジェフの負けた試合で。こういうことは、連鎖反応するものだろうか。だからといって、負けたことを正当化するつもりはない。ディテールを分析するということで、お話ししているだけだ。

残り数分というところで、追いつくためにプレーを急いで、中盤で日本がキープしている。そして4人がディフェンスラインでボールを回している。闘莉王は相手ゴール前でヘディングで競る準備をしている。闘莉王の頭にボールを蹴れば、点が入るかもしれないという状況。そして審判が終了のホイッスルを吹くのを待っていたかのように、ディフェンスラインで4回も5回もパス回ししている。つまりは自己破壊をしてしまっている。しかし彼らは成人した、大人なのだ。

また最初の話に戻るが、今日は負けて本当によかったのかもしれない。ただし、負けて痛みがないわけではない。私も胸が痛むが、選手の方がもっと悔しいだろう。

(プレスオフィサーが「そろそろバスも出てしまうので。選手も待っているので」)

選手と一緒のバスには乗りたくない。歩いて帰ろうかな。

オシム監督の画像

Valid CSS! Valid HTML 4.01 Transitional Oggi 今日のアクセス数 Ieri 昨日のアクセス数 Totale トータルアクセス数