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イビチャ・オシム監督の町サラエボ
オシムと神の子
イビチャ・オシム監督

キリンチャレンジカップ・ペルー戦

新横浜の日産スタジアムに出動。駅からの距離と人の多さで毎回イライラ。俊輔が出るとなると人出も増えてそう。

いつものように練習から観察。

GK練習が先に始まりチェックしているとなんとも川口のキックに暗くなる。10メートルの距離で横に2メートルもずれていたら、試合中キーパーを含めたチーム全体のボール回しなんてとんでもない話。
逆に西川君のキックは、なんとなく蹴ってる時もパントキックでも精度が全然違う。川島もそうだった。

これはフィールドプレーヤーを含めての日本全体の話だけど、相手がいない状態でのちょこまかしたボール扱いは以前から上手かったけど、キックの精度や対人プレーは上手いとは思えなかった。
俊輔のような技術は無くても、ダイレクトで狙ったところにきちんと蹴れる事、その後に良いポジションを取れる事、この事が日本では軽視されてたと思う。
ゴール前以外ではドイツ代表のように、そんなに難しい事をやる必要はないと思う。どんな状況でも狙ったところに蹴れるという事は、ロングシュートもバンバン蹴れるという事。
いつもつまらないサッカーをするドイツ代表だけど、サッカーに必要なキックの精度と必要に応じたポジショニングはさすがだと思う。
オシムが代表監督に就いたことによって、その事が見直されていると感じる。若い選手達は小野ほどの技術はないにしても、キックの精度は格段に上がっていると思う。ボールの受け方についてはまだまだもっと考えながらプレーする必要はあると思うけど。。。

その後フィールドプレーヤーが練習開始。
すぐにミニゲームが始まって、その中で輝いて見えるのが家長や羽生。ボールを呼び込む動き、ワンタッチで落としてからの動き直し、前を向く時の判断なんかは理想的。
羽生は良い出し手がいないと輝かないけど、家長なんかは30才くらいの選手に見えた。攻撃だけがサッカーじゃないから、まだまだ課題は多いけど素材は凄いと感じる。

ミニゲームの〆にシュート練習が始まり愕然。。。
いつもの事だけど、練習なのに全然枠に飛ばない。みんなの横でロングキックの練習をしている水野君と家長君の精度に比べるとビックリする。
決定力不足なんて言われるけど、練習でシュートが枠に行かないのにどうやって決定力が上がるのか?
シュートは普通のキックに比べてパワーがいるからFKとは違う。それは分かっているけど、小さい頃からのシュート練習の積み重ねが日本全体に足りないのかなと感じた。

試合開始。

4バックになり、新しいメンバーも入りとしっくりきていない感じ。
もちろんペルー代表も凄く良かった。前日の会見でも引いて守るようなサッカーはしないと言ってたけど、前線からのプレスは身体能力の差もあって日本代表以上に凄かった。
攻撃でも南米の選手独特の体を使ったボールの持ち方で、変な失い方をしない。簡単にプレーしてたし、日本代表より良いサッカーをしていたと思う。

それでも日本代表がセットプレーから先制。
身長が日本代表の方があったから、決めやすかったと思う。ただ、それが日本の長所ではないから、これで良いはずはない。流れが悪いのに誤魔化してしまった気もする。

感じた問題は、俊輔が良い事やろうと個人プレーをしてしまった事、高原と巻でどうやってボールを引き出すのかという事が全然整理されていない事、中澤、加地、鈴木啓太、阿部のあたりでアイデアが全くない事。
この辺りはいつものごとく日本サッカーの個人戦術理解の低さ、歴史の無さを感じた。ベースになる国としてのサッカーのセオリーがまだまだ構築されていない。これの課題は一番オシムに期待したい所。

後半開始。

ようやくコミュニケーションが取れてきたのか、いくらかは改善された。
流れが大きく変わったように感じたのが、阿部と中村憲剛との交代。阿部は疲れがあるのか、周りの運動量が少なくてどうしようもなかったのか、傍目に出来が悪かった。
そこにボールを持てる中村憲剛が入ってきてボールを散らし始めた。ポジショニングや前を向く判断力が素晴らしい。
ディフェンスの面で不安を感じるから頭から出れないんだろうけど、攻撃を中心に見るなら今日の阿部よりは全然良い。

さらに遠藤に変わって羽生、巻に変わって矢野貴章。遠藤も俊輔と役割が被っててやりにくそうだった。
矢野貴章はレイソルの時から気に入ってた選手だったからオシムが呼んでくれた時は嬉しかった。チームの為に自分を限界まで追い込めるかっこよい選手だと思う。

さらに水野、家長、藤本が投入。
いきなり元気なのが投入されてペルー代表は大混乱。はやいプレスから少ないタッチで攻める家永と水野のリズムについてこれない。
この二人はサイドで1対1の勝負も出来る。ゴールにはならなかったけど、もっともジェフの試合に近いオシムのサッカーだったと思う。

この試合のMVPは駒野。

俊輔に活かしてもらったのはあるけど、攻守に会場から「オォ!」という歓声を浴びてた。
俊輔は以前よりディフェンス面で体を張るようになったし、体も強くなった。
高原は良い意味でマイペースに戻った。得点はペナルティーエリアの幅からしか生まれない。高原はそこから殆ど出なかった。調子が良い時は余計な事をしない。

この試合はペルー代表が良いサッカーをしたおかげで凄く面白かった。

オシム監督

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