トリニダード・トバゴ戦メンバー発表 オシム監督会見
KIRIN WORLD CHALLENGE キリンチャレンジカップ 2006
2006年08月04日
田嶋 オシム監督になって初めての試合、キリンチャレンジカップ2006、対トリニダード・トバゴ戦の記者会見に、多くの方々にお集まりいただきましてありがとうございます。われわれは本当に強化ということを考えて試合を組んでおります。ただ、オシムさんの最初の試合で、A3とスケジュールが一緒になってしまって、協会としてはサッカー界に対して本当に申し訳なく思っています。この試合は、16日に行われるイエメンとのアジアカップ予選に向けての強化試合でもあります。そこでトリニダード・トバゴという、今回のワールドカップ(W杯)でもスウェーデンやイングランドといった強豪相手に、非常にいい試合をしたチームを迎えることは、本当にうれしいことです。ぜひ、いい試合ができるように、そして最初のスタートとして、ファンの皆さんにいい試合をお見せしたいと思います。
オシム まずは皆さんに申し上げたいことがある。最初の(就任)会見のときに、私の発言が違うように解釈されたと聞いている。私は(今の日本代表を)車に例えて全員で押さなければならないと強調したわけだが、さまざまな方向で押すのではなくて、ひとつの方向にみんなの力で押すのだと、そういう例え話をしたつもりだった。
田嶋 (メンバー発表の)コピーがまだ間に合いませんで、私に読んでほしいということですので、発表させていただきます。
GK:川口能活(磐田)、山岸範宏(浦和)。DF:三都主アレサンドロ、坪井慶介、田中マルクス闘莉王(いずれも浦和)、駒野友一(広島)。MF:田中隼磨(横浜FM)、今野泰幸(FC東京)、小林大悟(大宮)、長谷部誠(浦和)。FW:我那覇和樹(川崎)、佐藤寿人(広島)、田中達也(浦和)。 以上13名です。
オシム こちらから説明することはない。質問があれば、どうぞ。
――13名という人数の少なさの理由、それから代表選考で重視した点について教えてください
オシム 13人でも試合はできる。なぜ、この13人を信用できないのか。13人とも90分間走れる選手だと思う。というのは冗談だ(会場、笑)。
初めて日本の代表監督をするにあたり、代表の強化日程に影響を与えることはできない。また、各クラブの活動についても、A3のように平行して行われている大会についても同様だ。しかしながら各クラブの日程(鹿島の上海遠征など)、そして代表とA3の日程が重なってしまうという事態になってしまった。大会、代表、遠征と、多くのチームの事情が複雑に絡み合ってしまっている。
そうした試合に関係しているチームほど、代表に選ばれる可能性のある選手を多く抱えているというのが実情だ。だから、このリストはまだ完全に閉じられたものではない。現在、大会や遠征などで代表に招集できない選手の中から、代表に新たに呼ばれる可能性もある。ジャーナリストの皆さんは、どのチームが今、大会に参加しているのか、遠征しているのか、ご存じだろう。どの選手が追加招集されるかについて、具体的な名前は差し控えさせていただく。現在彼らは、別の試合を戦っているわけだから。
代表チームと(他の日程が)バッティングしてしまったので、こういうことになってしまった。今後は、こういうことがないように願いたいものだ。もっとも、ジャーナリストの皆さん、ファンの皆さんは、誰が追加招集されるかという楽しみを、代表監督になったつもりで、その気分を味わってもらいたい。
――キャプテンは誰ですか
オシム 全員がそろった段階で決める。あまり大事なことだとは思っていない。
■「前回の会見で述べた方針に対する自分なりの回答がこのメンバーだ」
――田嶋さんに質問です。13人と聞いたときにどう考えたかということ。それから監督から「今後はこういうことはないように」とありましたが、これは協会に向けられた言葉だと思います。これは(メンバー発表が)3日延びて、なおかつ選手を絞り切れなかったと思うのですが、それに対して協会としてどう対処するのでしょうか
田嶋 まずスケジュールについてですが、これについてはシーズンの初めに、どちらを優先させるかということで、協会、Jリーグ、各クラブと話を進めてきました。シーズンの途中で、オシムさんに(代表監督を)代わっていただいたことで、非常にご迷惑をおかけしたと思っていますし、来年オシムさんとスケジュールを考えるときには、こういうことをしないようにしたいと考えています。
また、メンバーの発表が遅れてしまったことについては、さまざまなスタッフと長時間かけてオシムさんと話をしてきたわけです。そういった意味で、今オシムさんからお話があったように、(今後、選手を)プラスするということを含めての13名ですから、これからのけがなども含めて(追加招集も考慮して)選んでいるととらえています。
会見の日程が延びたことについては申し訳なかったと思っていますが、われわれとしては選手を決めるのは監督であって、なるべく監督が十分に自信を持って(選手選考が)できるように、時間を取りました。
――オシム監督がやりたいように、協会としてやったということでしょうか
田嶋 日程については、オシム監督のやりたいようにはできないわけですから、それについては前もってわれわれで決めて、申し訳なかったと思っています。
――オシム監督に質問ですが、今回はフレッシュなメンバーが多いですが、オシムさんが最初の会見でおっしゃった「日本らしいサッカー」「日本の良さを生かしたサッカー」というのは、具体的にどういうサッカーをやりたいとお考えなのでしょうか
オシム 質問の意味がよく分からない。何を聞きたいのですか?
私が、前回の会見で話したことを実現するために必要な選手を選んだ。何を具体的に知りたいのか教えてくれませんか? どういう選手を選ぶか、どういう試合をするか、というところで答えを出すつもりだ。ただ前回の会見で述べた方針に対する、自分なりの回答というのが、このメンバーだ。
ジーコさんの時代に呼ばれたかどうかということは、それほど重視していない。さまざまな試合の中で、私自身が観察して、よい選手だと確認できた選手を選んでいる。ジーコさんは、W杯の時点での最高のメンバーを選んで、ドイツに連れて行ったのだと思う。それをまったく無視することはできないが、それ以外の選手を試してみるということはできる。
――追加メンバーは何人を考えていますか? トレーニングはどういう形で考えていますか
オシム 本来ならばもっと早い時期にメンバーを発表して、もっと早くトレーニングを開始したいと思っていた。最初は6日の夜に発表する予定だったが、それは遅いと思った。新しいメンバーを含むチームになるわけだから、本格的な試合に臨む前に、丸一日の練習と、力の劣る相手との練習試合など、時間をかけて(チームを)組み立てる必要がある。だから、今回も練習試合を予定している。
この13人は、一緒にディナーをするために呼んだのではなく、試合をするために呼んだ。練習試合は非常に大きな意味がある。サッカーはお互いに知り合いになることも大変大事なことだ。サッカーは11個のピースを組み立てて、出来上がりというものではない。
だから、13人という最低限、練習試合ができるメンバーを発表した。
この後、追加の発表をするが、おそらく現在別の大会や遠征があって、代表の活動ができないクラブの選手たちのコンディションやけがをしていないかを考慮して、選ぶことになる。全部のクラブから選ぶことができなくて残念だ。
一般論だが、7日間の間隔を空けてイエメンと試合をすることはかなり無理がある。つまり、トリニダード・トバゴ戦とイエメン戦の間にJリーグの公式戦の日程が入っている。
私の考えでは、代表チームというのは、試合ごとにころころメンバーを変えるものではない。だから、トリニダード・トバゴ戦のメンバーもイエメン戦で戦うメンバーも基本的に同じにしたい。もちろん、失病やコンディションの悪化などが起こった場合は別だが。
だから、呼ばれた選手もある程度安心してプレーができる。13人の中に入ったのは偶然ではないと思ってもらっていい。次もまた呼ばれるだろう。
(追加人数に関しては)全体で20人くらいになるだろう。2試合をそのメンバーで戦う。
さらに負傷者が出た場合は、追加の追加もあり得る。大事なのは、一緒に集まることだ。
――選んだ選手の具体的にどこをいいと思ったのでしょうか
オシム ここで選手の分析をしろとおっしゃるんですか?
――冒頭で、90分間走れる選手たちだとおっしゃった後に、「それは冗談だ」とおっしゃったので、どこに基準を置いて選ばれたのかをお聞きしたいのです
オシム 話をすることはできるが、非常に長くなる。第一の基準は全員が日本人であることだ(笑)。これはもう、絶対的な条件だ。それだけだ。
■「経験がないからといって招集しなければ、いつまでたっても経験は得られない」
――全体的に経験のない選手が多いですが、そういう選手を集めたのでしょうか
オシム 若い選手だけでもないし、そんなに若過ぎる選手はいない。サッカー選手として普通の年齢だ。
経験で言えば、誰でも最初は経験がない。経験がないからといって招集しないのであれば、いつまでたっても経験は得られない。経験というのは、試合をする中で得られるもの。試合に出なければ、経験は得られない。
――監督はトリニダード・トバゴ戦を望んでいないように感じるのですが、その中でこの試合の位置づけは
オシム 日程は私が監督になる前に決まっていたわけだが、トリニダード・トバゴがどういう選手で、どういう試合をするかという、相手の監督の権限に私が干渉することはできない。
相手は強敵で、生易しい試合ではない。多くの日本人はトリニダード・トバゴがどこにあるか知らないだろう。国がどこにあるかは別にして、選手の多数はイングランドでプレーしている。W杯にも出場している。だから、トリニダード・トバゴは観光に日本に来るわけではないし、あらかじめ予想をたてて簡単に対応できる相手でもない。
トリニダード・トバゴは(W杯で)イングランド、スウェーデン、パラグアイの3カ国を相手に非常に良い試合をした。ひょっとすると、日本が入っていたグループよりも、強いグループだったと思う。それを戦った選手が来るわけだから、簡単な内容、簡単に勝てる試合になるとは思っていない。
もしトリニダード・トバゴを相手に、日本が簡単に勝てるという雰囲気ができているなら、それは取り消していただきたい。この場に座って皆さんと話しているわけだが、トリニダード・トバゴに勝った後に皆さんがどう思うかを聞いてみたい。
客観的にどういう相手かを考えることが大事だ。日本が勝つのは確実で、どう勝つのが問題だと考えている方がいるなら、それは違う。接戦になると思うが、もし日本が1-0なり最小得点差で勝った場合、それは偶然だったということになるが、勝つのが当然という雰囲気があったならば、誰も満足しないだろう。2-0で勝って当然という雰囲気があるならそれは違う。
では、もし負けた場合はどうなるか? 「あの監督はダメだ」という意見がすぐに出る。トリニダード・トバゴに限らず、W杯に出るようなチームの中には楽に勝てる相手は1カ国もない。
もし、私に(マッチメークの)権限が与えられていたならば、トリニダード・トバゴを相手には選ばなかった。強い相手とやるということであれば、もう1回ブラジルとやる。
皆さん、本気にしました?(笑)
ん~、予想よりも激しい人選。協会に対する姿勢がはっきり見れるし、対戦相手をなめてる日本人にも警笛を鳴らしてる。サッカー担当の記者が少なかったのかもしれないけどいつもなら軽いジャブで済んでるのをのっけからストレート。メンバー発表が延びたくらいでガタガタオシム批判をしてる馬鹿をさりげなく攻撃。オシムに対する記事を見ればその記者がいかにJリーグを見てないか良く分かる。オシムを叩いておけば雑誌が売れて儲かるんだろうけど。
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