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イビチャ・オシム監督の町サラエボ
オシムと神の子
イビチャ・オシム監督

nakata.net TV 8月号 最終回

いよいよnakata.netが最終回。今までと違って素直な中田英寿がいた。やめてみて感じる事は?と聞かれてもまだ実感がわかないみたい。さみしそうな感じと、素直になった感じがした。

中田にとって若いときに経験した海外遠征はかけがえのないものだったらしい。現在の日本代表はU12から始動してる。中田の頃はジュニア・ユースから。自分はそれでいろんな経験が出来てラッキーだったと。

中田はベルマーレ入団の際に海外のユベントスへのサッカー留学を約束させていた。当時一緒にイタリアへ渡った上田監督は中田がユベントスに取られる事が一番怖かったらしい。自分の目で見ても中田が抜群に上手くみえた。絶対にユベントスから出されたものにはサインをするなと伝えて先に帰ってきたとの事。中田自身はユベントスのプリマベーラ(2軍)はたいした事はないと感じたと言ってた。
ベルマーレの練習グラウンドが変わってしまうことについて話していた時気持ちよくペルージャに送り出してくれたベルマーレを思って感動してた。

面白かった日本代表はアトランタオリンピック代表。そこで出てきた前園。前園は下の年代から入ってきた中田が自分の考えをしっかりと持っていて、上の年代に自分の意見をしっかり伝える姿にびっくりしたと言ってた。健康的に色々な考え方をぶつけ合うことが出来たチームだったらしい。楽しそうに中田が話してた。

初めて入った日本代表ではよく言われたイメージの共有。山口、名波とともにそれを磨いていった。その時の代表では山口が後ろで支えてくれるのは大きかったと言っている。チームメイトでもあったけど人と人との付き合いがきちんとあった事が中田を通じて伝わってきた。フランスワールドカップでは厳しさよりも自分はやれるのかなというふうに感じたと言ってた。

ペルージャにいた頃、それからボローニャ時代の監督マッツォーネも引退についてコメントを寄せてた。マッツォーネは中田を中心にチームを作ってくれたやりやすかった監督だと、なんでも口にする人だったけど裏表のない信頼できる監督だったと中田が言ってた。引退した今でも中田はもっと活躍出来る選手だと思っているとマッツォーネが語ってた。
同じくイタリアに渡った名波はイタリアで中田と戦った時燃えていたと言ってた。私生活において仲が良いとは言えなかったけど中田にとって名波ほど意思の疎通がとれた選手はいなかったと言ってた。名波が怪我がちなのは知ってたけど名波さえいてくれれば日本代表は違ったものになったと今でも思ってると。

トルシエ時代に変わったシドニーオリンピック。トルシエは良い監督だと思ってるし日本人にあったサッカーをやっていたと思うけど抑え付けられたものにはだいぶ疲れたと言ってた。ちょうどこの頃から自分が日本代表の上に立つ立場になって少しずつサッカーが面白くなくなったみたい。これは中田のサッカー人生にとってマイナスだったとはっきり言っていた。誰かがやらないといけない事だったのかもしれないけど、これは引退が早まった原因の一つと言えると。責任ばかりが増して自分を犠牲にする、チームを上に引き上げないといけないというプレッシャー。

日本で行われた日韓ワールドカップ。トルシエとのいざこざで疲れ切った中田は代表を引退しようと考えてた。ジーコが就任した時、中田がJリーグに入るときジーコはコンビニにいくなとか凄く厳しい監督だと聞いていた。これがアントラーズ入団をやめた理由でもあったらしい。実際に話した時聞いていた話と違ってこれなら続けられると決断したと言っていた。

中田にとってサッカーは、思い出の写真であり兄弟みたいなものだと言ってる。これからの日本の選手にはよりプロ意識を持ってやってほしいと言ってた。自分を戒めて欲しいと。

先の事を聞かれて、これから他の世界を見てみたいんだという事をしきりに言っていた。新しい刺激が欲しいんだと思う。もう一度自分が学ぶ立場になりたいのかなと。旅をしながら1年間自分の幅を広げてきっと日本の良さを知り帰ってくると感じた。若くして日本を離れた人間に共通して言える事。強烈なナショナリズムを自分の中に感じ日本に住んでいる日本人以上に日本の事を思う。

中田がつねに考えてたサッカーのイメージ。これは2000年以降、他のチームでは共有する事はなかったという感じがする。でもそれを強制的にイメージさせようとしている人がいる。その人が今日本代表監督に就任した。本当に残念なすれ違いだと、この二人が組んでくれればもっともっと日本代表は何か大きな事を出来るはずなのに。。。俺が勘違いしてたのは前回の日本代表はへたになってたり精神的に弱くなったわけではなかった。そういう人が選ばれなかっただけの事だった。

これはサッカーに限らない事だけど、人が真剣に生きた時間というのは人からの賞賛などではなく自分自身が素晴らしいと思えるはずだと思ってる。光の当たる世界で頂点を極めた人間としてこの謙虚な姿勢を続けてる中田は尊敬に値する。

最後に日本が初めてワールドカップ出場を決めた後のインタビューで「Jリーグの方も宜しくお願いします!」と言ったように「これからは世界の車窓中田バージョンを宜しくお願いします!」と軽口を叩き恥ずかしさを隠してるあの頃と変わらない中田がいた。

オシム監督

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