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キリンチャレンジカップ2007 カメルーン戦後 オシム監督会見 その1

 ご覧の通り、何ができて何ができないかが、はっきりした試合だった。また、強いリーグのチームでプレーしている(カメルーンの)選手と、そうでない日本の選手との違いもはっきりした。もちろん身体能力の違いもあるし、コレクティブ(組織的)かどうかの違いはそれほど大きくはなかったと思う。カメルーンのような強いチームと対戦する機会はなかなかないから、ここで選手が何かをつかんでくれればと思う。フィジカルの違う相手との戦い方、ボールをめぐっての競り合い、そういった経験を積んでもらえたと思う。カメルーンのような対戦相手は、日本には存在しない。体格の差などのハンディについては、もっと走ったり、コンビネーションを使ったりして補わないといけない。
 今日の試合では、中盤で簡単にボールを相手に渡してしまった。ボールだけでなく、ゲームコントロールできない時間帯が長く続いたのは、皆さんがご覧になった通りだ。そういうところで、強いチームはミスをしない。必要のないところ、本来すべきでないところでミスをして、ボールを相手に渡してしまったのは反省すべきだ。
 ただし、一部の選手が予想以上に興味深いプレーをしてくれたのは収穫だった。昨日話したように、(前日練習では)DFのための練習をしていて、攻撃のための練習はほとんどしなかった。(この日の試合は)しっかりと守備を固めれば、強敵に勝つこともできるという例だったかもしれない。スタメンの11人がスタミナがある間は、いいサッカーができたと思う。もちろん、それだけでカメルーンに勝てるとは思ってはいなかった。これはテレビのインタビューでも言ったことだが、今日の試合は序章、第2章と、まったく違う展開のサッカーの本を書いてしまったようだ。ただしその本は、行間を読まなければならない本である。

――スタメン11人はスタミナあるうちはよかったが、遠藤などは後半疲れてしまった。また強じんなフィジカルの相手にけがをする選手もいた。これは予想していたことだろうか?

 そうした問題があるのは秘密ではない。遠藤が立ち上がりから終わりまで、速いテンポでプレーできれば理想的だ。しかし、これまでと違う点にも気付いてほしい。カメルーンの選手は、個々がボール扱いがうまい。彼らがリードされている展開では、チーム全体が攻撃的になっていた。しかし、われわれは残念ながら、攻撃的なグループ、守備的なグループに分かれてしまっている。中盤では、サイドの右と左はまずまずだったが、カメルーンがプレッシャーをかけてきたら、問題がどんどん出てきた。特に中盤の攻撃的な選手とFWの選手は、所属チームでディフェンスすることに慣れていない。もちろん守備だけでなく、強い相手に対して攻撃に行くことは、さらに難しかった。
 例えばラインの高さ、あるいはDFを含めてどれだけミスをせずにパスを回せるか。それらを比べてみても、いかに日本がつまらないミスをして、相手のチャンスのお膳立てをしていたか。つまり純粋にスキルが低いということだ。パス、ボールタッチのテクニック。本当に基本的なところだが、いかに実戦の中で力を発揮できるかどうか。この分野では、日本のサッカーはまだまだ子供であると言わざるを得ない。プロの国際試合で起こってはならないミスが起こってしまった。
 私も場合によっては、「危ない時には観客席に届くくらい遠くにボールを蹴れ、常にエレガントである必要ない」と選手に言う用意はできている。しかし、守備陣がパニックに陥って「とにかくクリアだ」と、タッチラインの外にボールを蹴り出すことは感心しない。その点について話すと長くなるが、今日の試合で見ることができたのは、就任からこれまでの1年間、選手に分かってもらおうと話し続けたことの内容の一部ではなかったかと思う。コレクティブなプレーの中で、個人のクオリティーをどう結び付けるか。強い相手と対戦するときに、個々のクオリティーが問題になる。カメルーンの選手との1対1でのボールの奪い合い、スピードの比較。さまざまな部分で考えるべきポイントは少なくなかったと思う。
  キリンチャレンジカップ2007 カメルーン戦後 オシム監督会見 その2

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