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アジアカップ 韓国戦前日オシム監督&川口能活会見 その2

――日韓戦は日本にとって特別な意味合いがあるが、それに対しての意気込みは

オシム 私は日本人ではないので、どんな特殊な試合なのか皆さんに伺いたいものだ。私が思うに、韓国には日本以上にモチベーションがある。これは日本にとっては難しいことだ。とはいえ、日韓戦である以前に、3位決定戦であって、どちらが勝つかは運にも左右される。どちらが勝ったから、負けたからといって、日韓の代表監督のどちらかの首をすげ替えるという雰囲気があるというのなら、それは非常に残念なことである。

――川口選手、ここまで韓国はあまり点が取れていないが、攻撃陣の印象は

川口 試合を(ビデオで)見たが、たまたま入っていないだけで、相手のDFに当たったり、コースが少し外れたりしている。(点が入らないのは)ちょっとの差だと思う。イラク戦でも主導権を握っている印象を受けた。やはり、一瞬の気も抜けない試合展開になると思う。彼らは守備が安定しているので、点を取るのも難しいと思う。クロスからの攻撃も迫力がある。

――疲れもあるし、相手のモチベーションも上がっている中、何が日本にとって重要になると思うか

オシム まず、相手のモチベーションは高いが、日本もそれに負けてはならないということ。韓国にはJリーグでプレーしている選手も何人かいるが、特に彼らは日本に対してモチベーションが高いだろう。韓国が勝ち、ランキングで上回ることで、彼らの日本における価値、尊敬が高まるという考えがあるだろう。つまり彼らは、日本で生活の糧を稼いでいるわけで、ここで評価が上がればもっとサラリーが上がることにつながる。それは選手が普通に考えることだ。
 それから彼らが、日本選手について知っているという問題もある。それはある意味、向こうのメリットでもあり、こちらも彼らを知っているというメリットでもある。だからよくお互いを知っているので、試合がオープンになる可能性がある。つまり、お互いに危険なプレーをする覚悟で戦うだろう。付け加えるなら、これは日本に来てから気が付いたことだが、韓国の選手の方が運動能力が高い。背が高く、ハードなプレーができる。そういうことを聞いてはいたが、日本に来て初めて確認できた。だがそれは、われわれのハンディと考えない方がいいだろう。
 われわれにハンディがあるとすれば、それは疲労だ。明日の試合では、動き回って、こちらの方がフレッシュであるという状況でプレーしようと思う。それができないようであれば、日本は不利になると言わざるを得ない。だから私はジレンマに立たされている。選手はみんな出場したがっている。立派なことだ。しかし、選手は自分がどこまでできるかを判断していない。
 どうか理解してほしい。選手は人間である。試合に出たい、疲れていても「できる」と言う。その気持ちを否定することはできないが(実際に出場して)動けない、力が出ないということもあり得る。その結果、試合に負ける。もちろん、その選手を使った監督に責任がある。しかし、ジレンマに立たされているのは、ほかならぬ私である。皆さんは、明日どういう選手が出るか、お楽しみになって、どうかゆっくりお休みください。私は夜中起きて、アスピリンを飲みながら、明日のことを考えようと思う。
 日韓戦ということは、もちろん承知している。しかし、私の選手は人間である。人間として、活躍したい、出たいという自然な気持ち。しかし監督の仕事として、出たいという選手を単純に満足させるべきなのか。そのために勝つ、負ける、おそらく負けるかもしれない。そこで監督として何を選択すべきなのか。よく監督は、そうした選択によって(判断を)誤ることがある。だから誤らないように、私は考えている最中だ。その際、選手を何かの部品ではなく、人間として考えるようにしている。人間性を大事にしたい、ということである。

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