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アジアカップ オーストラリア戦後 オシム監督会見 その1

――PK戦を見ていなかったのか。心臓は大丈夫か?

 病気でなくても、心臓に悪いので見なかった。私はここでは死にたくない。故郷のサラエボで死にたいので、発作を起こしたくない。だから見なかった。それに、私が(PK戦を)見ていると勝てないというジンクスがある。

――オーストラリアの選手が1人退場し、日本にアドバンテージがあったのに、なぜ120分でも勝てなかったのか?

 なぜなら、私たちのサッカーが完成の域に達していないからだ。ハンドボールや水球では、退場者がいる間に点が入るが、サッカーはそうでない。サッカーは足でやるスポーツなので、よりボール扱いが難しい。それほど正確なパスを出せるなら、もっと楽に勝てるのだが。またサッカーはビリヤードとも違って、狭いスペースにボールがうまく転がるわけでもない。それよりも、われわれの内容がよかったことを、もっと見てほしい。いつも心掛けているサイド攻撃は機能していた。オーストラリアに優秀なGKと優秀な4〜5人のDFがいたことは、われわれの責任ではない。それに疲れもある。
 1人退場で少なくなるのも、サッカーにはつきものの事件であるから、われわれの側に責任があったわけではない。それに少ない方のチームが、モチベーションを強めて、しっかりしたプレーをすることもある。むしろそれが普通だ。人数が1人少ない方が勝つことだって、世界中のサッカーではよくあることだ。アンリ(※フランス代表FW、バルセロナ所属)という選手がもし日本にいたとすれば、10人になったとしてもカウンターによって勝つ可能性がある。それにオーストラリアにはキューウェルが途中から入ってきたし、1対1で勝負する選手もいた。個人的には、日本がこの試合でしたこと以上に何ができたか、ということを教えてほしい。退場者が出る前も、出た後も、日本の方がいいプレーをしていたことは事実だと思う。ひょっとすると、別の見方ができるのかもしれないが。
――守備が非常によかったが、中澤と阿部が非常によい仕事をしたのでは?

 専門のジャーナリストがそうおっしゃるのなら、信用するしかない。ありがとう。

――次のゲームはさらに難しくなるのではないか

 その通りだ。

――PK戦の模様を控え室で見ていたようだが、ベンチを引き上げる前にどのようなことを考えたか? そして勝利が決まった後は?

 ロッカールームでは見ていない。情報も入ってこなかった。特に感想はない。私が見たくないというのに、生中継を見ていたというのはおかしな話ではないか。
(勝利を知った後は)喜んでジャンプして天井に頭をぶつけそうになったが、このとおり元気で生きている。

  アジアカップ オーストラリア戦後 オシム監督会見 その2

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