――最終的に23人に絞るわけだが、どの時点で選考を行うのか
オシム 新しいAFCのルールでは、7月5日まで期間があるということ。しかし、ハノイ(ベトナム)に何人かを連れていって、そこで帰すことはしない。それよりも前に(選考を)行う。選考は、今行われているJリーグの試合などにもよる。まだ出発前に3試合、Jリーグの試合がある。つまり、そこで負傷する選手が出る可能性もある。それ以外の理由でも当然、30人の中で外れたり、追加されたりするかもしれない。つまり、30人プラスアルファの関係者がいるのが現状だ。
(直前の合宿で選手を絞るのか?)30人のうち誰かが必ず行く、行かないと、2つに分かれてはいるのはよくない。その30人のリストの全員が100パーセント、Jリーグの試合で力を出してほしいと思っている。
――今回の30名を選ぶに当たって、最も悩んだ、難しかった点は?
オシム 一番悩んだのは、まだ時間があるということ。つまり、まだ23人に絞ることができないということがある。時間の猶予を与えられたことがいいのかどうか。サッカーというのはプレーだけのクオリティーだけで決まるものではない。私のように長くサッカーにかかわっていると、プロの選手というのはどういう考え方かと理解することができる。プレーのクオリティー以外の、人間的な要素が関係してくることが分かってくる。そこで一番悩む問題は、どんな名簿を作成しても必ずそこには満足しない、不満を持つ選手、クラブがあるということ。そういうことは付きものだから、この場で謝るつもりはない。名簿に入った、入らないという違いはニュアンスの壁があるから分からない。落ちた選手が気持ちが良くないというのは分かる。名簿に入っているか、入っていないかは大きな違いだ。しかし、それを決めなければいけないのが、私の仕事なのだ。落ちた選手には、「この大会が人生の最後ではない」と言いたい。サッカーのキャリアはまだ続く。来年にはワールドカップ(W杯)の予選が始まる。それまでにアピールするチャンスはある。
そうすれば、私が方が間違ってるということを証明するかもしれない。いずれにせよ、メンバーを決めるのが一番難しいことだ。
――ポリバレントな(多様性のある)選手がディフェンスをやるとしても、中盤の選手が非常に多い気がするが、その理由は?
オシム この名簿を見てバランスが取れていると感じていただければうれしいのだが、この中で、スペシャリストとしての選手、そしていくつかのポジションができるポリバレントな選手が混じっている。もちろん、誰がどういうポジションになるか、誰を選ぶかはディスカッションのテーマになる。しかし、ここで全員に納得してもらうにはホワイトボードで説明したり、ビデオでどんなプレーができるか見せなければいけないが、それには時間がない。言えるのは、日本だけで決まったことではない。対戦相手がどんなチームか、どんな場所、グラウンドでプレーするのかを考慮に入れた上でのことだ。
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