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キリンカップ コロンビア戦前日 オシム監督会見

 いつものように質問からどうぞ。

――練習の終わりに選手を集めて話をしていたが

 秘密の話ではないが、選手に話したことは、皆さんに話すことではない。後で選手に聞いてみたらどうだろう。皆さんが選手たちに聞くことで、私が話したことを彼らがどういうふうに理解していたかを確かめることができる。(いずれにせよ)難しい話はしていない。

――明日の試合のポイントは?

 ポイントはこれだ、と話せれば楽なのだが。しかしコロンビアのようないいサッカーをしてくるチームは、ひとつのポイントを抑えても、別のポイントから攻めてくる。高いクオリティーを持っているチームだが、弱点もあるはず。サッカーはしばしば、長所と思われていた部分が、試合の中では弱点として現れることがある。弱点として現れるなら、それを最大限に活用しようと考えている。弱点を発見できれば、仕事の半分は成し遂げられたと言えるだろう。しかし彼らも、日本の情報を持っているだろう。どんな選手がいて、スタメンはこうだろう、と予想してくると思われる。短所をどうやって長所で補うか。サッカーはそういう意味で人生と似ている。

――具体的にコロンビアの長所とは?

 クオリティーという点でいえば、あまり長々と話す必要はないだろう。彼らの7〜8人は欧州、メキシコ、そして南米の強豪でプレーしている。そして彼らには、南米に限らず、世界のひのき舞台に戻りたいという意欲が感じられる。欧州でプレーしている選手の数は(今回のメンバー以外にも)日本の倍はいるということだ。クオリティーの高いチームであることははっきりしている。それをどう日本が抑えるかが課題となる。

――アジアカップに向けて欧州組を試す最後の機会となるが、起用のポイントと彼らに期待することは

 試すといっても、テストという意味での機会ではないと思う。私にとっても選手にとっても、メディアにとっても気持ちのよくないことではないか。テストというのは、合格する場合もあれば、落第する場合もある。しかも1回のテストで合格しなかったから、すぐ落第というわけでもない。もちろん、選手の特性を見たいという気持ちもある。中にはプレーしないでも分かる選手もいるが、多くはプレーをさせてみないと分からない。今回、20数人招集しているが、全員を出せるわけではない。3人くらい、2試合とも出られない選手が出てくる可能性がある。しかし、そういう選手を含めて、代表チームはできている。試合だけではなく、チームの一部として機能しているかどうかも私は見ている。試合の数が多くて、全員に出場機会があれば、もっとよいのだが。試合もそうだし、それ以外の代表の活動の中でも、選手の能力や個性というものは出てくる。そこで、必ずしも良いプレーをしなくても、必要な選手はいる。つまりプレーそのもの以外でも、重要な要素が存在している。生きたグループとしてのチーム、そういった必要な要素を選手たちは持っているか。  サッカーのプレーさえできればいい、という話ではないのだ。

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